2013年9月23日月曜日

太地町とイルカ漁

『ザ・コーヴ』


これは2009年の『ザ・コーヴ』のトレーラービデオ。
世間を騒がせた<イルカ追いこみ漁>のドキュメンタリー映画。
この映画の舞台となった和歌山県太地町は「古式捕鯨発祥の地」

問題になった<追い込み漁>は、外洋でイルカの群れを探し出し、水中に大きな音を送りイルカの音波探知機能を撹乱させ、群れを入り江や漁港へ追い込み、入口を塞ぐ猟法。

イルカは殺される個体と生け捕りの個体に選別。
殺されるグループは、仲間の見ている前で1頭ずつ漁師たちにより頭部に銛を打ち込まれ殺される。入り江は瞬く間に血の色で真っ赤に染まる。
※漁協は2秒で死に至ると言うが、映像を見ている限り、数分以上は血の海でバタ狂っています)
http://www.youtube.com/watch?v=JEdT-ybWFr0
↑埋め込めなかったので、このアドレスをコピペしてください。
<イルカ漁殺し方の矛盾点>が判りやすく解説されています。

さて、生かされる個体は、同町の開発公社が買い取り、国内外の水族館やマリンパークや大学などに学術目的の名分で、300万~500万/1頭で売却。

イルカ肉は約1500円/kg
(大きな成人イルカを、約500kgとして、骨も体も全部が可食部だとしても75万円/1頭)。
ちなみに、シャチは5億円/1頭での取引の実績がある。(シャチも追い込み漁で捕獲)


◆太地町開発公社の売上高(H22年度)
【売上高】   212,982,582円
 
学校給食鯨肉売上…20,193,805
 商品販売鯨肉売上…18,849,798

◎生鯨販売売上…… 169,909,300

 缶詰売上……………  2,258,109
 ソーセージ売上……  1,292,604
 鯨スモークハム売上…… 91,816
 その他の売上…………  387,150

『ザ・コーヴ』の上映でますますイルカ漁に風当たりが強くなった言い訳に、太地町は
「古くからの伝統であるのでご理解を求めたい」の町長発言。
しかし、前述の売り上げ高のとおり、生体販売(75%)が主流
生体販売のための追い込み漁を伝統というのか?

年間数千頭を殺しながら、イルカショーやイルカと一緒に泳ごうなどの癒し系の施設も経営。
同じ施設内でイルカやクジラ肉を提供。
「イルカ、かわいかったわね」と言いながらイルカ肉に舌鼓をうつ観光客。

太地町はイルカに頼りきっている。


漁協は「(イルカ漁は)必要な資源で生活の糧」の回答。「イルカはお金です」と本音だが、あの漁法は命の翻弄。
あまりにむごい。
実際、筆舌に尽くし難いほど残酷な屠殺と捕獲には涙が止まらない。大量虐殺と言っても過言ではない。(ピーピーと聞こえるのはイルカの断末魔です)



◆     ◆
先日、インドの環境森林保護省が、クジラ目を「non-human persons」イルカは人類でない人として固有の権利を有していると認め、イルカと人間の種の壁を取り払った。
日本も早急に種の壁を取り払い、水族館や動物園の生体展示の再考を…。
愛すべき隣人たちを家族から引き離し、見世物にする思いつきは人間のエゴのなせる技。とても哀しい。